アルツハイマー型認知症の母は夜、寝る時に、紙パンツをはいています。
そして、その中に「紙パンツ用尿取りパッド」を入れています。
この「紙パンツ用尿取りパッド」は紙パンツよりも単価が安く、一度おしっこをしてもそれを取ればはいていた紙パンツはまだ履いていられます。
先日の朝、母が起きてすぐにトイレに行って、その後、なかなかトイレから帰ってきませんでした。トイレが終わってもずっと座っていることがよくあるので、またのんびりしているのかなと思いました。
気長に・・・・と思いましたが、10分過ぎても出てきませんでした。
結局、私はトイレのドアを開けて、母を見に行きました。
やっぱり、トイレに座っていました。
ふと、床を見ると白い雪がたくさんありました。
我が家のトイレは、床はセメントで、サンダルを履いて入ります。つまり、玄関から靴のままで入るようになっています。
外は雪景色です。
きっと母はトイレからいったん外に出て、まだトイレに戻ってきたのでしょう。
その証拠に母がはいていたサンダルにも白い雪が付いていました。
何をしに外に行った?
新聞を取りに行ったのか?
我が家のポストは外にあります。一応ポストを見に行きましたが、新聞はまだ入っていました。
それとも雪でトイレの汚れを取ろうとしたのか?
母の行動は不可解な事が多すぎますので、今はもうあまり気にしていません。
ゴミなら床を掃きますが、雪ならその内融けるだろうと思いそのままにしてトイレをでました。
私の父はとても胃腸が弱い人で、田畑仕事から帰ってきて靴を脱がなくてもすぐにトイレに入れるようにトイレは玄関のすぐ隣に作りました。
だからトイレの床はコンクリートです。雪は自然に融けて蒸発します。
ちなみに、ウチの2階建ての小屋は家より大きいと、私の口の悪い幼馴染みから言われた事がありますが、その小屋にも父は土足で入れるトイレを入り口近くに作りました。
父はもう亡くなりましたが、私も夫も娘達もなぜか胃腸が弱くて、トイレが2つあって良かったと思います。
私はトイレから戻ってきた母の着替えをさせました。
すると、なんと、ズボン下を脱いだら、あとは何もはいていません。
紙パンツ用尿取りパッドがなくても、紙パンツをはいているはずなのですがはいていません。
もーっ!
いらいらしながら、母の着替えをしました。
それから1時間くらいたった頃、娘が言いました。
「お母さん、トイレが大変な事になっている!」
へっ?
トイレに行ってみると、床にはまだ白い雪が融けずにたくさんありました。
その日の最高気温は1度くらいで、トイレに暖房機器はありませんので雪がまだ融けていませんでした。
「違う!これ、おばあちゃんの仕業!」
えーっ・・・!
トイレに散らばっている雪をよーく見てみると、
なんと、それは、雪ではなく紙パンツや尿取りパッドについている吸水材でした。
という事は・・・・!
私はトイレから出て母が先ほどはいていたサンダルを見に行きました。
そこには、雪だと思っていた白いものがまだついていました。
手で触るとやはり雪ではありませんでした。
あーそうか!
母は、尿取りバッドにおしっこをもらした場合は、紙パンツの中にはいている尿取りパッドをとって、トイレの大きなゴミ箱にいれることは出来ます。
また、紙パンツの状態におしっこをもらした場合は、紙パンツの両脇をビリっと破り、それをトイレのごみ箱に入れることは出来ます。
しかし、紙パンツを脱ぎ捨てた後、新しい紙パンツをはくーという行為はできません。自分が紙パンツを必要とする人間だとは全く思っていませんので、家族が紙パンツをはくように声掛けをしない限り、紙パンツをはきません。
どうやら、母は、おしっこをもらしたので、尿取りパッドを取っているつもりで実は、紙パンツの吸収材をはぎ取ったようでした。
そして、吸収材をはぎ取った時に、その吸収材がバラバラと床に落ちたのでしょう。
先ほどの着替えの時、紙パンツを履いていなかったのは、吸収材がなくなった紙パンツを母はさらに脇からビリビリ破って、ゴミ箱に入れたのだと想像できます。
今までにも何度か、吸収材がきれいにはぎ取られた、不織布だけの紙パンツをはいていた時があります。
そんな強い力が母にはまだあるのかと驚きます。
あー!もー!と言いながら、私はトイレ掃除をしました。
母のお陰でトイレを掃く回数が増え、埃がたまらないようにはなりましたが。
時々、不思議な事をする母です。
ではでは、また。